中古住宅を探しているとき、多くの方が最初に確認するのは物件価格です。
しかし、実際に購入するときは、物件代金だけを準備すればよいわけではありません。仲介手数料や登記費用、税金、住宅ローンの手続きにかかる費用、火災保険料など、さまざまな諸費用が必要になります。
さらに、中古住宅では建物の状態によって、リフォーム費用や設備交換費用、引っ越し後の修繕費も見込んでおく必要があります。
この記事では、熊本で中古住宅を購入するときに必要となる主な諸費用と、資金計画を立てる際の注意点を分かりやすく解説します。
中古住宅は「物件価格+諸費用」で考える
中古住宅の資金計画では、物件価格だけでなく、購入に必要な費用をすべて含めた総額を確認することが大切です。
たとえば、同じ価格の物件でも、次の条件によって必要な金額は変わります。
– 不動産会社の仲介による購入か、売主から直接購入するか
– 現金で購入するか、住宅ローンを利用するか
– 土地と建物の固定資産税評価額
– 建物の築年数や耐震性能
– 火災保険の補償内容と契約期間
– リフォームや修繕が必要か
– 引っ越しや家具・家電の購入が必要か
「物件価格が予算内だから買える」とすぐに判断せず、購入後の生活に必要なお金も残せるかを確認しましょう。
中古住宅購入で必要になる主な諸費用
1.仲介手数料
不動産会社の仲介で中古住宅を購入し、売買契約が成立した場合は、仲介手数料が必要になります。
仲介手数料には法令で上限が定められています。物件価格が400万円を超える一般的な売買では、上限額を計算する際に次の速算式がよく使われます。
物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税
ただし、これは上限額を求めるための計算方法です。実際の金額や支払時期は、不動産会社との媒介契約や売買契約の内容によって確認する必要があります。
また、物件価格が800万円以下の場合などは、条件により取り扱いが異なることがあります。購入前に見積書で金額を確認しましょう。
2.印紙税
不動産売買契約書などの課税文書を紙で作成する場合は、契約書に記載された金額に応じて印紙税がかかります。
印紙税額は契約金額や契約書の作成方法によって異なります。電子契約の場合は紙の契約書と取り扱いが異なるため、契約前に担当者へ確認してください。
3.登記費用
中古住宅を購入すると、土地や建物の所有者を買主へ変更するための所有権移転登記を行います。
住宅ローンを利用する場合は、金融機関が不動産に担保を設定する抵当権設定登記も必要になるのが一般的です。
登記に関係する主な費用は次のとおりです。
– 登録免許税
– 司法書士への報酬
– 登記事項証明書などの取得費用
– 住宅ローン利用時の抵当権設定登記費用
登録免許税は、売買価格ではなく固定資産税評価額などを基に計算されるものがあります。また、住宅の床面積、築年、耐震基準、取得後の居住などの条件を満たすと、軽減措置を受けられる場合があります。
4.不動産取得税
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度かかる都道府県税です。
購入時の決済日に支払うとは限らず、取得後しばらくしてから納税通知書が届くことがあります。そのため、引渡しが終わった後も納税に備えて資金を残しておく必要があります。
中古住宅やその土地については、建物の床面積、築年、耐震基準、本人の居住など一定の条件を満たす場合、軽減を受けられることがあります。軽減に申告が必要な場合もあるため、熊本県の担当窓口や専門家へ確認しましょう。
5.固定資産税・都市計画税などの精算金
固定資産税と都市計画税は、原則としてその年の1月1日時点の所有者に課税されます。
不動産売買では、引渡し日を基準に売主と買主の負担分を日割りで精算することがあります。これは税務上の納税義務者を変更する手続きではなく、売買契約に基づいて当事者間で調整するものです。
起算日や精算方法は地域や契約によって異なるため、売買契約書と精算書を確認してください。
6.住宅ローンに関する費用
住宅ローンを利用する場合は、物件代金とは別に金融機関の手続きに関する費用がかかります。
代表的なものは次のとおりです。
– 融資事務手数料
– 保証料
– 金銭消費貸借契約に関する印紙税
– 抵当権設定登記の登録免許税
– 司法書士報酬
– 団体信用生命保険に関する費用
– 振込手数料
金融機関によって、保証料を最初に支払う方式、金利に上乗せする方式、保証料は不要でも事務手数料が高い方式などがあります。
表示金利だけで比較せず、借入時に支払う費用と返済期間中の総支払額を合わせて確認することが大切です。
7.火災保険・地震保険料
住宅ローンを利用するときは、金融機関から火災保険への加入を求められることがあります。現金で購入する場合でも、火災や風災、水災などへの備えとして検討が必要です。
保険料は、建物の構造、所在地、補償範囲、保険金額、契約期間、免責金額などで変わります。
熊本では地震への備えも重要です。火災保険だけでは地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊などが補償されないため、地震保険を付けるかも確認しましょう。
ハザードマップや建物の状態を確認し、必要な補償を選ぶことが大切です。
8.建物状況調査や各種検査の費用
中古住宅は一軒ごとに状態が異なります。購入前に建物の状態を詳しく確認したい場合は、建物状況調査(インスペクション)などを利用する方法があります。
調査費用の負担者、調査できる範囲、追加調査の必要性は物件によって異なります。調査を希望する場合は、売買契約の前に不動産会社へ相談しましょう。
内覧時に確認したいポイントは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
熊本で中古住宅を内覧するときに見るべき10のチェックポイント
9.リフォーム・修繕費用
中古住宅では、購入後すぐにリフォームや設備交換が必要になる場合があります。
代表的な工事には次のようなものがあります。
– 屋根や外壁の補修
– 雨漏りやシロアリ被害への対応
– 給湯器、エアコン、換気設備の交換
– キッチン、浴室、洗面台、トイレの改修
– 給排水管や電気設備の更新
– 壁紙、床、畳などの内装工事
– 耐震改修や断熱改修
– 駐車場や外構の工事
物件価格を抑えられても、大規模な修繕が必要であれば総額が高くなることがあります。購入前に可能な範囲で建物の状態を確認し、工事の優先順位を決めて見積もりを取りましょう。
住宅ローンとリフォーム費用をまとめて借りたい場合は、購入申込みより前の段階から金融機関へ相談することをおすすめします。
10.引っ越し・家具・生活開始の費用
資金計画で見落とされやすいのが、購入後の生活を始めるための費用です。
– 引っ越し代
– 家具・家電・照明・カーテン
– エアコンやアンテナの設置
– 鍵の交換
– インターネット回線の工事
– 不用品の処分
– 駐車場や庭の整備
– 住所変更などに伴う各種手続き
すべてを入居時に新品へ交換する必要はありません。「入居前に必要」「入居後すぐ必要」「将来でもよい」に分けると予算を整理しやすくなります。
諸費用はいつ支払う?
諸費用は、すべてを同じ日に支払うわけではありません。
購入申込みから売買契約まで
– 必要に応じて建物状況調査などの費用
– 売買契約時の手付金
– 売買契約書の印紙税
– 仲介手数料の一部(契約による)
住宅ローンの手続きから引渡しまで
– 融資事務手数料や保証料
– 金銭消費貸借契約に関する費用
– 登記費用
– 仲介手数料の残額
– 固定資産税などの精算金
– 火災保険・地震保険料
– 売買代金の残額
引渡し後
– 不動産取得税
– リフォームや修繕費
– 引っ越し費用
– 家具・家電の購入費
– 毎年の固定資産税・都市計画税
支払時期は取引や契約によって異なります。特に売買契約時と残金決済時にはまとまった現金が必要になる可能性があるため、早めに資金予定表を作りましょう。
中古住宅購入の全体的な手続きはこちらで確認できます。
熊本で中古住宅を購入する流れ|申込みから契約・引渡しまで7ステップ
住宅ローンに諸費用を含められる?
金融機関やローン商品によっては、仲介手数料、登記費用、保険料、リフォーム費用などの一部を借入れに含められる場合があります。
ただし、借りられる金額と無理なく返せる金額は同じではありません。諸費用まで借りると借入総額が増え、毎月の返済額や総支払額にも影響します。
また、金融機関によって対象となる費用や提出書類が異なります。見積書が必要になることもあるため、物件探しと並行して早めに確認しましょう。
諸費用で失敗しないための5つのポイント
1.総額が分かる見積書を作る
物件価格だけで判断せず、仲介手数料、登記、税金、ローン、保険、リフォーム、引っ越しまで含めた一覧を作りましょう。
2.決済後に必要な現金を残す
引渡し後に不動産取得税の通知が届いたり、設備の故障が見つかったりする可能性があります。預貯金をすべて頭金や決済費用に使い切らないことが大切です。
3.リフォーム費は契約前から確認する
購入後に工事費が予算を超えないよう、可能であれば契約前に現地調査や概算見積もりについて相談しましょう。売主の承諾が必要になるため、不動産会社を通して調整します。
4.税の軽減は要件と申告方法を確認する
軽減措置には、床面積、築年、耐震性能、本人の居住、取得や登記の時期などの要件があります。自動的にすべて適用されるとは限らないため、県税事務所、税務署、司法書士、税理士などへ確認しましょう。
5.金額だけでなく支払時期も確認する
総額を準備できても、必要な日に現金を用意できなければ手続きが進みません。「いつ・誰に・いくら支払うか」を一覧にしておくと安心です。
中古住宅購入の諸費用チェックリスト
– [ ] 仲介手数料と支払時期を確認した
– [ ] 売買契約書の印紙税を確認した
– [ ] 所有権移転登記の費用を確認した
– [ ] 住宅ローン利用時の抵当権設定費用を確認した
– [ ] 融資事務手数料や保証料を確認した
– [ ] 不動産取得税の概算と軽減要件を確認した
– [ ] 固定資産税などの精算方法を確認した
– [ ] 火災保険・地震保険の見積もりを取った
– [ ] 建物状況調査の必要性を検討した
– [ ] リフォーム・修繕の概算を確認した
– [ ] 引っ越し、家具、家電の予算を決めた
– [ ] 引渡し後に使える予備資金を残した
– [ ] 支払日ごとの資金予定表を作った
まとめ|購入前に「全部でいくら必要か」を確認しましょう
中古住宅の購入では、物件価格以外にも仲介手数料、登記費用、税金、住宅ローン費用、保険料、リフォーム費用などが必要になります。
必要な諸費用は、物件価格だけで一律に決まるものではありません。物件の評価額や築年数、住宅ローンの内容、建物の状態、購入後の工事によって変わります。
大切なのは、物件を決める前に総額の見通しを立て、購入後の暮らしに必要なお金まで残しておくことです。
株式会社ie’sコーポレーションでは、熊本での中古住宅探しだけでなく、資金計画、住宅ローン、物件の確認、価格・条件のご相談、契約、引渡しまでサポートしています。
「希望の物件を買うには、全部でいくら必要?」
「リフォーム費用も含めて住宅ローンを相談したい」
という方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
中古住宅の諸費用は、物件価格だけで計算できますか?
物件価格から概算できる費用もありますが、固定資産税評価額、借入額、金融機関、保険、建物の状態などで変わります。購入候補が決まったら、物件ごとの見積書を作ってもらいましょう。
諸費用はすべて現金で準備する必要がありますか?
金融機関やローン商品によっては一部を借入れに含められる場合があります。ただし、対象費用や条件は異なり、手付金など早い段階で現金が必要になるものもあります。事前審査の前に確認すると安心です。
不動産取得税はいつ支払いますか?
一般に、不動産を取得した後に都道府県から納税通知書が届きます。通知の時期は状況によって異なります。軽減を受けられる場合もあるため、熊本県の担当窓口へ確認してください。
中古住宅のリフォーム費用は購入前に分かりますか?
詳細な金額は現地調査後になりますが、売主の承諾を得て専門業者が確認できれば、契約前に概算を把握できる場合があります。希望する工事と必要な修繕を分けて考えましょう。


