熊本で、自分や家族が暮らすための中古マンションを探していると、キッチンや浴室のキレイさに目が向くものです。
ただ、設備が新しく見えることと、その奥の配管まで更新されていることは同じではありません。また、内覧で水が流れたからといって、見えない部分を含めて問題がないと確認できるわけでもありません。
購入後の暮らしを考えるために、内覧では「現在の状態」「交換・修理の履歴」「まだ確認できていないこと」を分けて整理しましょう。
この記事は、投資用ではなく、マイホームとして中古マンションの一室を購入する方に向けた確認ポイントです。
今回は「今どうなっているか」を確かめる内覧
前回の
「熊本で中古マンションを購入・リフォームする前に|できることと確認ポイント」
では、希望するリフォームができるかを購入契約前に確かめる視点を取り上げました。
今回は、現在の設備や配管について、どこを見て、どんな記録を確認すればよいかを整理します。
内覧の目的は、その場で交換の必要性や工事費を決めることではありません。購入を判断する前に追加確認が必要な項目を見つけ、購入後の工事を考える材料を集めることです。
内覧で見えることと、目視だけでは分からないこと
内覧では、設備の表面、見える範囲の配管、床や壁の染み、収納内の湿りなどを確認できます。売主等の了承があり、電気・水道・ガスが使える場合は、一部の動作も確かめられます。
一方、壁や床の中にある配管の状態、配管内部の傷み、短時間では現れない水漏れなどは、通常の内覧だけでは分かりません。
「目に見える不具合がなかった」と「隠れた部分まで調査して問題がなかった」は、分けて考えることが大切です。
水を流す前に、確認できる範囲を聞いておく
水を流す、給湯器や換気設備を動かす、収納や点検口を開ける際は、事前に仲介会社を通じて売主等の了承を得ましょう。撮影についても確認しておくと、後から記録を整理しやすくなります。
点検口や設備のカバーを無理に開けたり、配管を外したりすることは避け、必要な確認は担当者や専門家に相談します。
空室でも、設備を自由に使えるとは限りません。電気・水道・ガスが止まっている物件では、通水や給湯、換気などを確認できない場合があります。
その場合は「正常」とせず、「当日は未確認」と記録し、再確認の可否・時期・方法を仲介会社に確認してください。
キッチン・浴室・洗面所・トイレで見るポイント
以下の動作確認は、売主等の了承を得て、使用できる状態で行うことが前提です。気になる症状を見つけても、自分で原因を決めつけず、場所と状況を記録しましょう。
キッチン:シンクの下も確認する
シンクや水栓の表面だけでなく、了承を得て収納内も見てみましょう。
- 水栓の根元や、見える配管の接続部分に水滴・湿りがないか
- 収納の底板に染み、膨らみ、傷みがないか
- 水を出したときの出方や、止めた後の水滴に気になる点がないか
- 排水の流れ、音、臭いに気になる点がないか
- レンジフードが動くか、異音や強い振動がないか
食器洗い乾燥機などが付いている場合は、引き渡し対象かどうかも設備表で確認します。電源が入るだけでは、洗浄や排水まで確認したことにはなりません。
浴室:水栓・排水・周囲の状態を分けて見る
浴槽や壁の見た目に加え、出入口まわりや排水口にも目を向けます。
- 浴槽、床、壁に割れや傷みが見られないか
- 継ぎ目をふさぐ材料に、剥がれや隙間がないか
- 浴室の出入口や隣の床に、染みや傷みがないか
- シャワーの出方、排水の流れに気になる点がないか
- 給湯、追いだき、浴室乾燥など、確認できた機能はどれか
表面がきれいでも、浴槽の下や壁の奥まで確認できたわけではありません。「浴室交換済み」という説明がある場合も、設備本体以外にどこまで工事したかを聞きましょう。
洗面所:洗面台の下と洗濯機まわりを確認する
洗面台の下は収納物で見えにくいことがあります。無断で物を動かさず、見せてもらえる範囲を相談してください。
- 洗面ボウルや水栓に割れ・ぐらつきなどがないか
- 収納内の配管まわりに水滴や染みがないか
- 床や壁に浮き、変色、湿りがないか
- 洗濯機用の水栓や排水口に、目で見て気になる点がないか
洗濯機が設置されていて排水口が見えない場合や、接続していない状態では、「確認できなかった範囲」を残します。
トイレ:便器だけでなく接続部や床も見る
- 便器やタンクに割れが見られないか
- 給水の接続部分や便器の足元に水滴・染みがないか
- 流した後に水が止まるか、排水に気になる点がないか
- 温水洗浄便座のうち、どの機能まで確認できたか
- 換気設備が動くか、異音がないか
便器が交換されていても、床の下の排水管まで交換されたとは限りません。設備本体と配管の履歴を分けて確認しましょう。
給湯器・換気設備は「型番・年・履歴・動作」をセットで確認
給湯器や浴室乾燥機、換気扇、レンジフードは、次の情報を残しておくと追加確認に役立ちます。
- メーカー名と型番
- 本体表示などで分かる製造年
- 設置・交換した時期
- 修理や点検の履歴
- 当日確認した機能と、エラー表示・異音などの有無
製造年と設置年は一致しないことがあります。銘板が読めない、記録がないなどの場合は推測で埋めず、未確認としてください。
給湯器は「リモコンが点いた」「お湯が出た」「追いだきを確認した」を分けて記録します。換気設備も、運転音がすることだけで、十分に換気できていると判断しないようにしましょう。
設備の年数だけで、交換が必要と決めつける必要はありません。 現在の状態、使用状況、修理履歴、メーカーの案内や部品の供給状況などを踏まえ、必要に応じて専門家に相談して判断します。
漏水・染み・カビ・臭いは、見た目だけで原因を決めない
染みがあっても、現在も水が漏れているのか、過去の漏水の跡なのかは、その場の見た目だけでは分からないことがあります。湿りやカビ、臭いについても、結露、換気、排水など、確認すべきことは一つとは限りません。
売主や仲介会社には、次のように具体的に聞いてみましょう。
- いつ頃から、どの場所に出ていたか
- 雨の日や設備を使った後など、発生する条件があるか
- 原因を調べた記録があるか
- どのような修理を行い、その後に再発していないか
- 上下階や共用部分に関係する連絡・対応記録があるか
「修理済み」の場合も、表面の張り替えだけか、原因への対応まで行ったかを確認します。
現在水が出ているなどの異常を見つけたら、その場で仲介会社や売主に伝え、確認のために使用を続けないようにしましょう。
「配管更新済み」は、どこからどこまでかを確かめる
中古マンションでは、「水回り交換済み」「リフォーム済み」という説明だけでは、配管の工事範囲までは分かりません。
キッチンを新しくしても、接続部分だけを工事し、床や壁の中の既存配管を残している場合があります。給水管、お湯を運ぶ給湯管、排水管で、更新の時期や範囲が異なることもあります。
確認したいのは、次の点です。
- どの設備につながる管を工事したか
- 給水・給湯・排水のうち、どれを更新したか
- どこからどこまでを交換し、どこに既存の管が残っているか
- 工事した年月と施工会社
- 図面、工事写真、見積書・請求書などに範囲が残っているか
排水管の清掃や詰まりの除去は、配管そのものの交換とは異なります。記録にある工事名だけで判断せず、実際の内容を確認しましょう。
専有部分・共用部分の境目は、物件ごとの資料で確認する
マンションの配管には、その住戸に属する部分と、建物全体で共有する部分が関係しています。室内にある、見えているという理由だけで、自由に交換できるとは判断できません。
国土交通省も、専有部分と共用部分の仕分けについて、まずそのマンションの管理規約を確認するよう案内しています。標準管理規約は参考となるひな形であり、対象物件の規約や配管図、管理側の説明を照合することが大切です。
出典:国土交通省「マンションの専有部分と共用部分の仕分けを知りたい。」
仲介会社を通じて管理組合・管理会社に、配管の区分、共用部分の更新履歴、今後の工事予定、今回の住戸内に関係する工事範囲を確認しましょう。「予定がある」場合も、実施が決まっているのか、検討段階なのかを分けて聞きます。
管理費・修繕積立金などは
中古マンションの管理に関する関連記事へ
希望する工事の可否や承認の確認は
前回の購入・リフォーム前の確認記事へ進んでください。
書類の内容と、実際の状態・引き渡し条件を照合する
内覧で見たことに加え、売主の告知書や設備表を確認しましょう。書類の名称や様式は取引によって異なります。
売主の告知書では、漏水や修理などについて、売主が把握している内容を確認します。設備表では、引き渡す設備の有無や記載された状態を確認します。
さらに、残っていれば次の資料を見せてもらいましょう。
- 工事写真や工事内容の分かる書類
- 修理・交換記録
- 保証書
- 取扱説明書、型番が分かる資料
保証書があっても、保証が現在も有効か、購入者へ引き継げるかは別に確認が必要です。また、書類に不具合の記載がないことだけで、見えない部分まで問題がないとは判断できません。
設備表に「使用可」とあるのに内覧では動かせなかった場合は、その違いを未確認事項として残します。不具合が見つかった場合には、次の点を仲介会社に確認してください。
- 引き渡しまでに修理するのか、その状態で引き渡すのか
- 修理する場合、対象・負担者・完了時期はどうなるか
- 引き渡し前に、どのように再確認するか
- 設備表や契約書などに、合意内容が反映されているか
口頭の説明だけで済ませず、書類と実際の状態に食い違いがないかを確認しましょう。
誰に、何を確認すればよい?
確認の窓口は、まず仲介会社にまとめると整理しやすくなります。
| 確認先 | 主に確認したいこと |
|---|
| 仲介会社 | 内覧で操作できる範囲、資料の取り寄せ、説明と現状の違い、再確認の段取り、引き渡し条件 |
| 売主 | 使用中に気になった症状、漏水や修理の履歴、設備の交換時期、保管している資料 |
| 管理組合・管理会社 | 配管の区分、共用部分の更新・修理履歴、今後の工事予定、開示可能な関連記録 |
| 過去の施工会社 | 売主等を通じて確認できる工事範囲、残した配管、施工時の写真や記録 |
| 設備メーカー・調査を依頼する専門家 | 型番に応じた確認事項、修理対応、必要な調査とその範囲・限界 |
どの相手も、すべての履歴を把握しているとは限りません。資料がない項目や回答が得られない項目は、「問題なし」に置き換えず、未確認として残します。
専門家による追加調査を考えたい場面
次のような場合は、契約前に追加調査の必要性を仲介会社へ相談しましょう。
- 漏水の跡や湿りがあり、原因や修理内容が分からない
- 臭いや排水の不調について説明がつかない
- 設備表と現状が食い違っている
- 配管の更新範囲が分からず、購入後の工事判断に影響する
- 動作確認ができず、生活に必要な設備の状態が分からない
依頼する際は、「何を確かめたいか」を伝え、設備や配管の確認が調査に含まれるかを確認してください。建物状況調査という名称だけで、給湯器の全機能や配管内部まで確認されるとは考えないことが大切です。
調査にも限界があります。見えない場所、立ち入れない場所、停止中の設備、調査時に現れない症状などは、確認できない場合があります。国土交通省も、建物状況調査は瑕疵の有無を判定するものではないなど、その限界を示しています。
出典:国土交通省「既存住宅流通について(建物状況調査活用に向けて)」
調査前には、売主等の了承、調査方法、対象範囲、報告内容、費用、日程を確認します。壁や床を開ける調査が必要な場合も、購入希望者の判断だけで進めることはできません。
内覧チェックリストは「確認済み・未確認・追加調査が必要」に分ける
次の表は、内覧後の整理に使える簡単なチェックリストです。それぞれの行で該当する欄に印を付け、部分的にしか分からない場合は項目を分けて記録してください。
| 確認項目 | 確認済み | 未確認 | 追加調査が必要 |
|---|
| キッチンの水栓・収納内・排水 | □ | □ | □ |
| 浴室の水栓・排水・出入口まわり | □ | □ | □ |
| 洗面台下・洗濯機まわり | □ | □ | □ |
| トイレの給水・排水・床まわり | □ | □ | □ |
| 給湯器の型番・製造年・交換履歴 | □ | □ | □ |
| 給湯器・換気設備の動作 | □ | □ | □ |
| 漏水・染み・カビ・臭いの履歴 | □ | □ | □ |
| 給水・給湯・排水管の更新範囲 | □ | □ | □ |
| 配管の専有部分・共用部分の区分 | □ | □ | □ |
| 告知書・設備表と現状の照合 | □ | □ | □ |
| 修理の有無など引き渡し条件 | □ | □ | □ |
「確認済み」は、将来の故障がないという意味ではありません。「いつ、誰から、何を確認したか」まで残しましょう。
例えば、「給湯器の製造年は本体表示で確認済み。お湯の動作はガス停止のため未確認」のように分けます。
未確認・追加調査が必要な項目には、確認先と、契約前など確認したい時期を書き添えておくと、次の行動につながります。
購入後の工事は、暮らしへの影響から優先順位を考える
工事の優先順位は、設備の年数や見た目だけではなく、安全性、漏水の拡大、毎日の生活への影響、調査結果から考えます。
急ぐもの
現在の漏水や、安全に使えるか確認が必要な設備などです。
購入後まで待つのではなく、購入前に原因や対応方法、誰がいつ対応するかを確認します。必要な工事が分からない状態で、金額や時期を決めつけないようにしましょう。
入居前に行いたいもの
調査や見積もりを踏まえて必要と判断した配管工事や、使えない期間が生活に大きく影響する水回りの工事などです。
床や壁を開ける工事がある場合は、内装工事と合わせた方がよいかも施工会社へ確認します。実際の工事範囲、設備の手配、マンション側の条件によって日程は変わります。
入居までの段取りを考える際は、戸建てを対象にした
中古住宅の購入・リフォームのスケジュールに関する関連記事
も参考にしてください。マンションでは、管理規約など物件固有の条件も確認が必要です。
後で検討するもの
現時点で急ぎの対応が必要とは判断されておらず、主に使い勝手や好みを理由に行う設備交換などです。
ただし、未確認の設備を「後で考えればよいもの」に入れないことが大切です。状態が分からない項目は、まず追加確認の対象にします。
工事費・調査費・工期は、必要な作業と物件の条件によって異なります。内覧の印象だけで予算を決めず、確認結果に基づく見積もりを取り、購入費用と合わせて考えましょう。
熊本で中古マンションをマイホームとして購入する方へ
水回りがきれいな住まいでも、交換履歴や配管の更新範囲まで分かると、購入後の暮らしを具体的に考えやすくなります。
内覧では、見た目だけで結論を出さず、現在の状態と記録を照合し、分からないことを残しておく。そのうえで、必要な追加確認と工事の優先順位を整理することが大切です。
熊本で、自分や家族が住むための中古マンション購入を検討している方は、株式会社ie’sコーポレーションへマイホーム購入についてご相談ください。
気になる物件や、内覧で確認したいことがあれば、ご相談の際にお知らせください。